受験期は、多くの受験生や保護者、そして教育関係者にとって、心理的な負荷が高まる時期です。
そんなとき、心理学の知識や実践的なアプローチが心の支えになることも少なくありません。
本記事では、「ライフ心理学アドバイザー」である日向さんと、進学塾で働く七瀬さんが、カフェでお茶をしながら受験期の心理的サポートについて話し合います。
生徒を見守る立場の七瀬さんが心理学に興味を抱き、日向さんにアドバイスを求める形で進む会話から、受験生を支えるための実践的な心理学の知識を学んでみましょう。
日向さん「久しぶりですね、七瀬さん。お仕事お忙しそうですね」
七瀬さん「おかげさまで。日向さんのほうこそ。今日はわざわざありがとうございます。最近、塾の子たちが受験のストレスで疲れているように感じて…心理的なサポートについてお話を伺いたくて」
日向さん「そういうことなら、私でお役に立てるといいのですが…心理学に関して、何かお困りですか?」
七瀬さん「はい、最近は受験へのプレッシャーが強くなる時期で、生徒たちの気持ちが不安定なんです。塾では成績向上も重要なんですけど、心理面のサポートが不足している気がして」
日向さん「受験期の不安は多くの子が抱えますね。実は、心理学には、そういった不安を緩和するための実践的な方法がいろいろとあるんですよ」
七瀬さん「どんな方法があるんでしょう?ただ、私も専門家ではないので、難しいことはすぐにはできないかもしれませんが」
日向さん「いえいえ、簡単なことで大丈夫です。たとえば、“マインドフルネス”という考え方はご存じですか? 今、この瞬間に意識を集中することで、気持ちを落ち着ける方法です」
七瀬さん「聞いたことはありますが…どうやって実践するのでしょう?」
日向さん「具体的には、呼吸法などが使いやすいです。生徒たちに、たとえば“吸って、吐いて”を繰り返しながら呼吸に意識を向ける練習をしてもらうと、気持ちを切り替えやすくなるんです。緊張をほぐすのに役立ちますよ」
七瀬さん「そうなんですね。簡単にできそうですし、試してみたくなります。生徒も実践しやすそうです」
日向さん「はい、慣れれば1分ほどで気持ちを落ち着けられるようになりますから。あまり強制せず、ちょっとしたアドバイスとして伝えるだけでいいんですよ」
七瀬さん「確かに、それなら気負わず教えられそうですね。他にも、何か実践できそうなものはありますか?」
日向さん「“SMART目標設定”も有効かもしれません。受験勉強の目標を、具体的で達成可能な小さなステップに分ける方法です」
七瀬さん「なるほど、どんなステップに分けるんですか?」
日向さん「たとえば、数学の問題集を一冊やり切るという大きな目標があるとしますね。それを、“今週は第1章をやる”というように、目標を小さく設定するんです。具体的で測定可能な、短期間で達成できる目標にするんです」
七瀬さん「それ、いいですね。達成感を得ながら勉強を進められそうです。受験生って、目標が遠すぎて疲れてしまうこともあるから…」
日向さん「その通りです。大きな目標に圧倒されてしまうことも多いですから、こうして小分けにして達成していくと、少しずつ前向きになれます。モチベーションを維持するには効果的ですよ」
七瀬さん「勉強が嫌になってしまう子もいるので、これは役立ちそうですね」
日向さん「それから、七瀬さんのように指導する立場の方にこそ、アクティブリスニングもおすすめしたいです。生徒さんが何か不安や悩みを打ち明けてきたら、途中で意見を挟まず、まずはじっくり聞いてあげるのがポイントです」
七瀬さん「アクティブリスニング…聞いたことはありますが、どう実践したらいいんでしょう?」
日向さん「たとえば、生徒が話しているときは、うなずいたり、“なるほど”といった合いの手を入れるだけでも大丈夫です。話の途中でアドバイスを挟まず、相手が話し終えるまでしっかり聞くと、気持ちが落ち着きやすくなるんです」
七瀬さん「ついアドバイスしたくなることが多いですが、まずは“聞くこと”が大事なんですね」
日向さん「はい。アドバイスが欲しいわけではなく、ただ自分の不安を聞いてほしいという子も多いですからね。安心して話せる雰囲気ができれば、自然と勉強への集中力も増すと思います」
七瀬さん「そうか…そういうサポートも、私たち講師にできる大切な役割ですね」
日向さん「ええ、七瀬さんのような信頼できる先生がいるのは、生徒にとってすごく大きな支えです」
七瀬さん「ありがとうございます。日向さん、心理学って、こういうふうに生徒に寄り添う方法を学べるのがいいですね。あまり教条的にならず、自然にできるような気がします」
日向さん「私もそう思います。心理学の知識って、生活に取り入れるだけで周りとの関係や自分の気持ちに変化が生まれますし、気負わずに楽しんでもらえると嬉しいですね」
七瀬さん「今回教えてもらった呼吸法や目標設定も、試しやすいですし、きっと生徒にも喜ばれると思います。心理学にもっと興味が湧いてきました」
日向さん「そう言ってもらえると私も嬉しいです。心理学って、人生のいろいろな場面で活かせるので、“一家に一台、心理学を!”っていうのもあながち大げさじゃないんですよ」
七瀬さん「それ、素敵なスローガンですね! 今の時期は特に、受験生たちに心の支えが必要なので、これからも生徒のために活かしていきます」
日向さん「そうですね、受験生も七瀬さんのような講師の存在でずいぶん安心すると思います。少しでもお役に立てたら嬉しいです」
七瀬さん「また、ぜひお話を伺わせてください。今日は本当にありがとうございました」
日向さん「こちらこそ、お話できてよかったです。またいつでも声をかけてくださいね」
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今回の学び 受験期の不安には、呼吸に意識を向ける「マインドフルネス」や、目標を細分化する「SMART目標設定」が有効です。指導者はアドバイスを急がず、生徒の話をじっくり聴く(アクティブリスニング)ことで、心理的な安心感と集中力を高めるサポートができます。 |



