「なぜかいつもイライラしてしまう」「相手の些細な言動にカッとなって、つい言い返してしまう」……。そんな「すぐ戦闘モード」に入ってしまう自分に、自己嫌悪を感じることはありませんか?
今回は、外資系金融機関で多忙に働く根津さんと、ライフ心理学アドバイザーの日向マユさんの対話をお届けします。
脳が勝手に鳴らしてしまう「非常ベル」の正体を知り、穏やかな日常を取り戻すための具体的なトレーニング法を学びましょう。
日向さん「(カフェの窓際で)ここのハーブティー、香りが良くてリラックスできるね」
根津さん「(スマホを睨みながら)……あ、ごめん。さっきレジで店員の手際が悪くて、つい『もっと効率よくできませんか?』ってキツめに言っちゃった。今、そのことを思い出してまだイライラしてるの」
日向さん「根津っちは仕事でも責任ある立場だもんね。常に『戦う準備』ができているのかも」
根津さん「そうなの。職場でも、同僚の些細なミスにすぐ反応しちゃう。後で『あんなに怒らなくてもよかったのに』って後悔するんだけど、その瞬間は止まれないんだよね」
日向さん「それは根津っちの性格の問題じゃなくて、脳の仕組みが関係しているんだよ。心理学では『闘争・逃走反応』って呼ぶんだけど、脳の一部(扁桃体)が『危険だ!』と判断すると、一瞬で戦闘モードに切り替わっちゃうの」
根津さん「危険?ただの店員さんのミスや、同僚の相談が『危険』なの?」
日向さん「脳にとっては、プライドを傷つけられたり、予定を乱されたりすることも、原始時代の『猛獣に遭遇した』のと同じくらいの緊急事態として処理されちゃうことがあるんだよ。でも、このモードを放置すると、根津っちにとって大きな損失があるんだ」
根津さん「損失?……お金のこと?」
日向さん「そう。たとえば、1回の怒りで集中力が切れて、元の状態に回復するのに5分かかるとするじゃない?それを1日3回繰り返すと、1年(250営業日)で約62時間も『怒るためだけ』に時間を使っていることになるの。根津っちの時給で換算したら、かなりの金額をドブに捨てているのと同じだよ」
根津さん「年間60時間以上……。それは、海外旅行に1回行けるくらいの時間だね。確かにもったいない。……どうすれば、そのモードを解除できるの?」
日向さん「(少し身を乗り出して)一番具体的な行動はね、脳の『警備員』をなだめるために、『視界にある、動かない物の名前を3つ心の中でつぶやく』ことだよ」
根津さん「えっ、それだけでいいの?」
日向さん「うん。『白いお皿』『四角いテーブル』『緑の観葉植物』……って言葉にすることで、暴走していた感情脳の代わりに、理性を司る『前頭葉』が動き出すの。すると、戦闘モードのスイッチが自動的にオフになるんだよ」
根津さん「なるほど。論理的な脳を強制的に起動させるわけだね」
日向さん「その通り。まずは6秒間、身近なものの名前を挙げるだけで、無駄な残業(時間)と精神的なコストを削減できるよ。試してみて?」
根津さん「わかった。次にレジでイラッとしたら、まず『茶色のレジスター』って唱えてみるよ(笑)」
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今回の学び
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