心理学は、私たちの身近なところで活用できます。
今回は、「ゴジラ」という誰もが知る映画を通じて、人間の心の動きを読み解いていきます。
映画好きの大学院生と、ライフ心理学アドバイザーの偶然の出会いから始まる、ちょっと不思議な心理学談義をのぞいてみましょう。
日向さん
- ライフ心理学アドバイザー
- 映画を通して人の心を理解することに関心がある
阿部さん
- 映画館アルバイト
- 大学院生
- 怪獣映画研究中の文化人類学専攻
阿部さん「日向さん、今日はゴジラ観に来てくださったんですね!」
日向さん「ああ、阿部さん。勤務終わり?ちょうど良かった、お茶でも一緒にどう?」
阿部さん「ぜひ!この前もゴジラの話で盛り上がりましたもんね。今回の作品、どう思われました?」
日向さん「そうねぇ...人々が恐怖に直面したときの描写が、とても印象的だったわ」
阿部さん「私もそう思いました!実は、修士論文のテーマが『現代社会における怪獣映画の受容』なんです。なぜ人々は怪獣映画、特にゴジラに魅了されるんでしょうね」
日向さん「(少し言いかけて止まり)...興味深いテーマね」
阿部さん「あ、日向さんは確かライフ心理学アドバイザーでしたよね?心理学的な視点からの見解、ぜひ聞かせていただけませんか?」
日向さん「(少し照れながら)そうね...でも、まずは阿部さんの考えを聞かせてもらえるかしら?」
阿部さん「はい!私は、現代人の不安や恐怖の象徴として、ゴジラが機能しているんじゃないかって考えているんです。でも、なぜ怖いはずのものに、人は惹きつけられるんでしょう?」
日向さん「なるほど...心理学では『カタルシス』という考え方があるわ。ギリシャ語で『浄化』という意味なんだけど...(慌てて)ごめんなさい、つい講義調になっちゃいそうで」
阿部さん「いえいえ、むしろ詳しく聞きたいです!この2ヶ月、映画の感想を話すたびに、日向さんの視点がとても新鮮で」
日向さん「ありがとう。じゃあ...簡単に言うと、安全な環境で恐怖を体験することで、日常のストレスや不安が解放される、という考え方よ」
阿部さん「まさに映画館での体験ですね!暗い空間で、でも実際の危険はない状態で...」
日向さん「そう。それに、集団で恐怖を体験することで、人々の絆が強まるという研究結果もあるわ」
阿部さん「あっ、それ面白いです!上映中、観客の反応が連鎖するような場面ありましたよね」
日向さん「(目を輝かせながら)そうなの!実は...(一旦言葉を飲み込む)ごめんなさい、また熱くなりそうで」
阿部さん「いえ、もっと聞きたいです!私の研究にも活かせそうな気がして」
日向さん「(少し安心して)実は、集団での感情共有には、ストレス軽減効果があるという研究があるの。映画館という空間は、まさにそれを可能にする場所かもしれないわね」
阿部さん「なるほど!だから映画館での上映に特別な価値があるんですね。でも、ゴジラって、単なる怪獣映画じゃないですよね?社会への警鐘とか...」
日向さん「そうね。心理学的に見ると、ゴジラは現代社会の不安や恐れの『投影』とも言えるわ。核の脅威だったり、環境破壊だったり...」
阿部さん「投影...心理学の専門用語ですか?」
日向さん「(少し躊躇してから)ええ。無意識のうちに、内なる感情や考えを外部の対象に見出してしまう現象のことよ。でも、難しい話は置いておいて...」
阿部さん「いえ、とても参考になります!実は、次の上映作品もゴジラなんです。日向さん、また観に来てくださいますか?その後、こうやって話せたら...」
日向さん「(嬉しそうに)ええ、もちろん。阿部さんの研究の話も、もっと聞かせてほしいわ」
阿部さん「実は、心理学の本も少し読んでみようかなって。日向さん、おすすめありますか?」
日向さん「(言いかけて一旦止まり、微笑んで)それは...次会ったときにゆっくり話しましょうか。まずは阿部さんが興味のある本を探してみるのがいいと思うわ」
阿部さん「はい!あ、もうこんな時間...今日は貴重なお話、ありがとうございました!」
日向さん「こちらこそ。阿部さんのおかげで、映画の新しい見方を発見できたわ」
阿部さん「次回作の公開は来月なので、また連絡させていただきますね!」
日向さん「楽しみにしてるわ。それじゃ、お疲れさま」
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今回の学び 映画館のような安全な環境で恐怖を体験することは、日常の抑圧された感情を解放する「カタルシス効果」をもたらします。また、怪獣などのフィクションは、社会や個人が抱える不安の「投影」として機能し、観客同士の共感を呼ぶ装置となります。 |



