「心理学」は、私たちの日常生活のあらゆる場面で役立つ知恵の宝庫です。
今回は、保険外交員として活躍する木村さんと、ライフ心理学アドバイザーの日向さんとの対話を通じて、営業の現場で心理学がどのように活きるのか、のぞいてみましょう。
この記事から、心理学が単なる学問ではなく、ビジネスの現場で具体的に役立つものだということを感じていただければ幸いです。
木村さん「日向さん、今日のヨガ、とても気持ちよかったですね」
日向さん「そうですね。木村さんの動きがとても綺麗だなと思って見てたんですよ」
木村さん「いえいえ、まだまだ硬くて…。あの、日向さん、もしお時間よろしければ、少しお話を…」
日向さん「ええ、もちろん。向かいのスタバでどうですか?」
木村さん「ありがとうございます…本当は、ずっと相談したいと思っていたことがあって…」
(カフェに移動して)
木村さん「実は、仕事のことで悩んでいて…。私、生命保険の営業をしているんですけど、最近すごく辛くて」
日向さん「そうだったんですね。木村さんのお仕事、初めて知りました。どんなところが辛いと感じていますか?」
木村さん「はい…断られることが怖くて、最近は新規のお客様のところに行くのも緊張してしまって。営業成績も下がってきていて…。社内の先輩にも相談したんですけど、『慣れるしかない』って言われて…」
日向さん「なるほど…それで私に相談してみようと?」
木村さん「はい…この半年ヨガでご一緒させていただいて、日向さんが心理学の資格をお持ちだと知って。それに、いつも周りの方の相談にも親身に乗っていらっしゃるのを見ていて…。申し訳ないんですけど、もしかしたら何かヒントをいただけるかなって…」
日向さん「そう言っていただけて嬉しいです。でも、私も経験を重ねている途中の身ですから…(相手の話をもっと聞こうと意識して)差し支えなければ、その辛さについて、もう少し詳しく教えていただけますか?」
木村さん「はい。最初の2、3年は、必死で頑張れたんです。でも最近、断られる度に『私には向いてないのかな』って思ってしまって…」
日向さん「なるほど…(心理学の話をすぐしたい衝動を抑えながら)木村さんにとって、理想の保険外交員像ってどんなイメージですか?」
木村さん「そうですね…お客様に信頼していただいて、本当に必要な保障を提案できる人。押しつけがましくならず、でも必要なことはしっかり伝えられる人…」
日向さん「とても素敵な理想像ですね。でも、そういう理想が高いからこそ、プレッシャーも感じてしまうのかもしれません」
木村さん「そうかもしれません…日向さんは心理学の専門家として、こういう時どう考えたらいいと思われますか?」
日向さん「(急に話を振られて嬉しくなるが、抑制しながら)そうですね…まず、木村さんの気持ちをお聞きしたいのですが、お客様のところへ向かう時、具体的にどんなことを考えていますか?」
木村さん「『断られたらどうしよう』『迷惑じゃないかな』って考えてしまいます…」
日向さん「なるほど。その気持ち、とても自然なものだと思います。保険の提案って、相手の人生に関わる大切なことですものね」
木村さん「はい…だからこそ、軽々しく提案できなくて…」
日向さん「木村さん、逆に聞いてみたいのですが、これまでで最も嬉しかった瞬間ってどんな時でしたか?」
木村さん「そうですね…一年前に契約していただいたお客様から『木村さんに相談して本当に良かった』って言っていただいた時です。その方のお子さんの教育資金の相談だったんですけど…」
日向さん「その時の木村さんは、どんな気持ちでその方と接していましたか?」
木村さん「そうですね…単に保険を売りたいとかじゃなくて、本当にその方の将来のことを一緒に考えたいって思っていました」
日向さん「それ、とても大切なポイントだと思います。相手のことを真剣に考える木村さんの姿勢が、相手に伝わったんだと思います」
木村さん「でも、最近はその気持ちより、不安な気持ちの方が大きくて…」
日向さん「その気持ち、とても分かります。心理学的に見ると…あ、すみません、心理学の話を始めそうになってしまいました」
木村さん「いえ、ぜひお聞きしたいです!週1回のヨガでお会いする度、日向さんのお話はいつも勉強になるなと思っていたんです」
日向さん「(少し照れながら)ありがとうございます。では…人は不安を感じると、どうしても『うまくいかないこと』に意識が向きがちなんです。でも、意識的に『うまくいった経験』を思い出すことで、新しい視点が見えてくることがあります」
木村さん「なるほど…確かに、さっきの成功体験を思い出したら、少し気持ちが楽になりました」
日向さん「そうですよね。それと、もう一つ大切なことがあります。断られることへの恐れは、実は『相手のために良いことをしたい』という気持ちの裏返しかもしれません」
木村さん「え?どういうことですか?」
日向さん「木村さんは、お客様のことを真剣に考えているからこそ、その提案が受け入れられるかどうかに不安を感じるんだと思います。それって、とても誠実な態度だと思います」
木村さん「そう考えると…少し気が楽になりますね。でも実際、断られた時はやっぱり辛いです」
日向さん「そうですよね。でもそれは、次のご縁のために必要なプロセスかもしれません。『この方には今回ご縁がなかった』と受け止めることで、次の方との出会いに向けて心の余裕が生まれるかもしれません」
木村さん「なるほど…『断られた』じゃなくて『ご縁がなかった』って考えると、確かに気持ちが違いますね」
日向さん「ただ、これはあくまでも一つの考え方ですから、木村さんなりの受け止め方を見つけていただければと思います」
木村さん「ありがとうございます。何だか希望が見えてきた気がします。来週のヨガの後も、また色々お話聞いていただけますか?」
日向さん「もちろんです。でも、私も経験を積んでいる途中の身ですから、一緒に考えていけたらと思います」
木村さん「はい!あ、そろそろ時間ですね。今日は本当にありがとうございました」
日向さん「いえいえ。来週また会いましょう」
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今回の学び 断られることへの恐怖は、「相手のために良いことをしたい」という誠実さの裏返しである場合があります。不安な未来ではなく過去の成功体験に意識を向け、断りを「ご縁がなかっただけ」と捉え直すことで、営業活動への前向きな意欲を取り戻せます。 |



