定年退職を間近に控え、第2の人生に胸を膨らませる海野さん。
商店街の活性化に尽力する一方で、自身の健康状態には楽観的な面も。
そんな海野さんが、健康診断をきっかけに、ライフ心理学アドバイザーの日向さんと再会します。
2人の立ち話から、健康に対する意識や心理学の知恵が浮かび上がります。
日向さん「海野さん、委員会お疲れ様でした。そういえば、この間、商店街の活性化について熱く語っていらっしゃいましたよね。準備は順調ですか?」
海野さん「日向さん、こんにちは。ええ、まあ…、というか、ちょっと行き詰まっているかな」
日向さん「何かあったんですか?」
海野さん「健康診断の結果が良くなかったんです。再検査の指示が出てしまって…」
日向さん「あら、そっち。でもそれは心配ですね。さしつかえなければ、どんな検査結果だったんですか?」
海野さん「コレステロール値と血糖値が高くて…。『生活習慣を見直しましょう』って言われたんですけどね」
日向さん「生活習慣…、海野さんはいつもお料理教室で健康的な食事を心がけていらっしゃるイメージでしたけど」
海野さん「ええ、料理教室ではね。でも、最近は委員会のことで頭がいっぱいで、食事も不規則になっていたかもしれません。それに、つい甘いものを食べすぎてましたよ」
日向さん「なるほど。新しい目標に向かって頑張っていると、つい自分のことは後回しにしがちですもんね」
海野さん「そうなんです。商店街の活性化は、私の定年後の生きがいになると思っているので、どうしても力が入ってしまって…」
日向さん「海野さんの熱意は素晴らしいと思います。でも、健康あってこその活動ですから」
海野さん「頭では分かっているんですけどね。でも、正直なところ、『自分はまだ大丈夫』って思ってしまう部分もあって…」
日向さん「それは、『正常性バイアス』かもしれません。人間は、自分に都合の悪い情報は無視したり、過小評価したりする傾向があるんです」
海野さん「正常性バイアス?」
日向さん「はい。例えば、『大地震はめったに起こらない』とか、『自分は病気にならない』とか、そう思ってしまう心理のことです」
海野さん「私も、『まさか自分が健康診断で引っかかるとは』って思っていました」
日向さん「それです。健康診断の結果を軽く見てしまうのも、正常性バイアスの一種と言えるかもしれません」
海野さん「どうすればいいんでしょう?不安になりすぎるのも良くないでしょうし…」
日向さん「そうですね。不安になりすぎるのも良くないですが、健康診断の結果を無視するのも良くありません。大切なのは、健康診断を自分の体の状態を知るための貴重な機会と捉えることだと思います」
海野さん「体の状態を知るための機会。確かに、そう考えると、少し気持ちが楽になりますね」
日向さん「よかったです。海野さんの場合、商店街の活性化という大きな目標があるので、その目標達成のために、健康管理も計画的に取り組んでみてはいかがでしょうか?」
海野さん「計画的にとは?」
日向さん「例えば、毎日の食事内容を記録したり、ウォーキングなどの軽い運動を習慣化したりです。小さなことから始めて、少しずつ生活習慣を改善していくんです」
海野さん「いきなり大きな変化を求めるよりも、小さなステップを積み重ねる方が、続けやすいかもしれません」
日向さん「いずれ目標を達成したら、自分にご褒美をあげるのも良いですね。そうすることで、モチベーションを維持しやすくなります」
海野さん「なるほど…。心理学ですなあ」
日向さん「心理学でしょう?(笑)。心理学を学ぶことで、自分自身の心の仕組みを理解することができますし、行動を変えるためのヒントも得られます」
海野さん「新しい挑戦として、心理学を学んでみるのも面白いかもしれないなぁ」
日向さん「前もそう言ってましたよ。もし本気なら、日本心理学普及協会の講座もありますので。あ、すみません、つい宣伝みたいになってしまいました」
海野さん「いえいえ、そんなことないです。今度、詳しく教えてください」
日向さん「はい、ぜひ。海野さんが、心身ともに健康で、充実した毎日を送れるように、私も応援しています」
海野さん「日向さんは健康診断は受けないんですか?」
日向さん「私?私はまだ大丈夫ですから」
海野さん「それ、さっきの正常性なんちゃらじゃないですか」
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今回の学び 自分にとって都合の悪い情報を過小評価する「正常性バイアス」は、健康管理の大敵です。健康診断を現状把握の好機と捉え、小さな生活習慣の改善を積み重ねることが、将来の健康を守る確実なステップとなります。 |



