将棋界が盛り上がりを見せる今日この頃。
プロ棋士の対局や動画配信での解説を楽しむ「観る将」の方も増えているようです。
一方で、アマチュアの方々の中には、「負けることが怖い」「プレッシャーに弱い」という悩みを抱える人も。
今回は、将棋教室で出会った2人の会話を通じて、将棋から学べる心理学的な知見についてお届けします。
将棋に限らず、日常生活でも活かせるヒントが見つかるかもしれません。
日向さん「あら、石井さん。今日は早めに来られたんですね」
石井さん「日向さん、こんにちは。はい、今日は仕事が早く終わったので…午後の将棋教室を少しでも有意義に過ごそうと思って」
日向さん「真面目ですね。先週は残業で休まれてましたものね」
石井さん「はい…最近、仕事が立て込んでいて。でも、この将棋教室は心の癒しなので、できるだけ来たいんです」
日向さん「ふふ、私も同感です。でも…今日はなんだか元気がないように見えますけど、どうかしましたか?」
石井さん「あ…そんなに。実は、さっきの対局で負けちゃって。最近、負けると妙に落ち込むんです」
日向さん「(心理学の話を持ち出したい気持ちを抑えながら)そうなんですね…」
石井さん「日向さんは心理学の資格をお持ちでしたよね。何か、アドバイスをいただけたりしませんか?」
日向さん「(渡りに船!)あ、はい!…あ、でも…(慌てて言い直して)ただ、もしよければ、一緒に考えることはできます」
石井さん「ぜひお願いします。実は、将棋での負けが、仕事でのプレッシャーとも重なって…」
日向さん「(興味深そうに)仕事でも似たような感覚を感じることがあるんですか?」
石井さん「はい。営業の仕事なので、数字のプレッシャーが大きくて。将棋でも仕事でも、負けることや失敗することが怖くて…」
日向さん「(言葉を選びながら)なるほど…。将棋と仕事、一見違うように見えて、実は似ているかもしれませんね」
石井さん「どういう意味でしょうか?」
日向さん「例えば…将棋では一手一手が勝負の分かれ目になりますよね。でも、実は負けた局面から、新しい発見があったりします」
石井さん「確かに…。負けた後に棋譜を並べ直してみると、『ここでこう指せば良かった』って気づくことは多いです」
日向さん「(少し熱を帯びて)そうなんです!心理学では…(ハッとして)あ、すみません。つい熱くなってしまいました」
石井さん「(笑顔で)いいえ、続けてください。むしろ聞きたいです」
日向さん「(ほっとして)ありがとうございます。心理学では、そういう経験を『建設的失敗』と呼ぶことがあるんです。失敗から学ぶ機会を得られるということですね」
石井さん「建設的失敗…。なるほど。でも、実際の場面では、なかなかそう考えられないんです」
日向さん「それは自然なことだと思います。プロ棋士でも、負けは辛いみたいですよ」
石井さん「プロ棋士の方々は、どうやってその気持ちと向き合っているんでしょうか?」
日向さん「(考えながら)プロ棋士の方のインタビューで読んだことがあるんですが…対局前は『最善を尽くす』ことだけを考えるそうです。勝ち負けではなく、一手一手の『質』を大切にする、という考え方ですね」
石井さん「一手一手の質…。仕事で言えば、結果だけでなく、プロセスを大切にするということでしょうか」
日向さん「(嬉しそうに)そうです!…あ、また熱くなってしまいそうでした」
石井さん「(クスッと笑って)日向さん、心理学のお話、本当に好きなんですね」
日向さん「(照れて)はい…時々、調子に乗って話しすぎちゃうんです。申し訳ありません」
石井さん「いいえ、むしろ分かりやすくて助かります。私も仕事で、『失敗したらどうしよう』って考えるより、『このプロセスで良かったか』って考えた方が良さそうですね」
日向さん「(優しく)はい。でも、それは意識的に練習が必要かもしれません。将棋の練習と同じように」
石井さん「なるほど…。あ、もうすぐ次の対局の時間ですね」
日向さん「本当ですね。次の対局、楽しんでくださいね」
石井さん「はい!…日向さん、また休憩時間にお話できたら嬉しいです」
日向さん「(明るく)ええ、もちろん。でも、次は将棋の話だけでも」
石井さん「(笑いながら)いえ、心理学の話も、もっと聞かせてください。私、気づきが多くて勉強になります」
日向さん「(照れながら)ありがとうございます。で、でも、適度に…」
石井さん「はい。では、行ってきます!」
日向さん「頑張ってください!…(独り言で)私も、話しすぎない様に気をつけないと…」
|
今回の学び 勝負事や仕事における失敗は、「建設的失敗」として学びの機会に変えることができます。結果だけでなくプロセスや一手一手の質を大切にする思考法を持つことで、プレッシャーを軽減し、次への成長につなげることができます。 |



