出世したい人の心理学

「なぜ私ばかり昇進できないの?」

「完璧にやっているはずなのに、どうして評価されないの?」

そんな悩みを抱えているあなたへ。

今回は、ライフ心理学アドバイザーの日向さんと、従妹の会社員・河合さんとの対話をお届けします。

心理学の知恵を、日常のシーンに活かすヒントがまた1つ、見つかるでしょう。

河合さん「ごめんね、マユちゃん。土曜日なのに突然LINEして」

 

日向さん「気にしないで。美咲と話すの久しぶりだし、このカフェ、静かで落ち着くでしょ?」

 

河合さん「うん、マユちゃんの行きつけのお店?」

 

日向さん「そう。一人で仕事する時によく来る」

 

河合さん「あ、邪魔しちゃった?」

 

日向さん「ううん、全然。たまにはこうやってゆっくり話したいなって思ってたところ」

 

河合さん「マユちゃんって、相変わらず優しいね。私たち、最近全然会えてなかったもんね」

 

日向さん「そうね。確か…お祖母ちゃんの喜寿の集まり以来かな」

 

河合さん「あ、そうだ。その時、マユちゃんが心理学の資格を取ったって聞いて」

 

日向さん「ええ。去年から勉強始めて…じつは私、すぐ心理学の話を始めちゃうから、気をつけてるのよ」

 

河合さん「え?どうして?」

 

日向さん「最近よく『日向さん、すぐ心理学の話するよね』って言われて。なるべく控えめにしようと思って」

 

河合さん「ふふ、マユちゃんらしい。でも、実は今日、その心理学の話が聞きたくて…」

 

日向さん「え?」

 

河合さん「実は、仕事のことで相談があって」

 

日向さん「うんうん」

 

河合さん「私、入社10年目になるでしょ。最近、同期がどんどん昇進していってて…」

 

日向さん「うん」

 

河合さん「私も頑張ってるつもりなんだ。締め切りは絶対に守るし、ミスも最小限に抑えてる。でも、なかなか評価されなくて」

 

日向さん「具体的には、どんな感じ?」

 

河合さん「たとえば、先月のプレゼンの時。私は資料を完璧に作り込んだ。でも、同期の田中さんは、資料は私ほど詳しくないのに、なぜか上司の評価が高くて」

 

日向さん「へぇ…」

 

河合さん「マユちゃん、何か言いたそうな顔してる」

 

日向さん「あ、そう?」

 

河合さん「いいの、言って。せっかく心理学の資格を持ってるマユちゃんに会えたんだし、アドバイスもらえたらって思って」

 

日向さん「じゃあ…ちょっとだけ。さっきの同期の人の件なんだけど、プレゼンの時、どんな雰囲気だった?」

 

河合さん「そうね…田中さんは、途中で上司に質問されても臨機応変に答えてたかな。私は完璧な資料を作ったけど、それ以外の質問には戸惑っちゃって」

 

日向さん「なるほどね…人って『完璧な情報』より『共感できる人の情報』を信頼するって知ってた?」

 

河合さん「へぇ…」

 

日向さん「その同期の人さ、上司の質問に柔軟に答えることで、コミュニケーションを取れてたわけでしょ? それがすごく大事なことでね」

 

河合さん「なるほど…私、完璧な資料作りに集中しすぎて、その場でのやり取りがおろそかになってたのかも」

 

日向さん「それ、あると思う。人は『信頼関係』があってこそ、相手の能力を高く評価する傾向がある。どんなに優れた内容でも、その前に…」

 

河合さん「人とのつながりが大切ってこと?」

 

日向さん「そう。じつは心理学では…あ、また興奮してきた」

 

河合さん「マユちゃん、相変わらずだね。それで? 心理学では?」

 

日向さん「人間関係を築くコツをいくつか話すね。でも、途中で煙たくなったら言ってね」

 

河合さん「聞きたい聞きたい」

 

日向さん「まず、『アクティブリスニング』っていう考え方がある。相手の話を積極的に聴いて、理解を示すことね」

 

河合さん「具体的には?」

 

日向さん「たとえば、上司が話している時に、ただ黙って聞くんじゃなくて、相づちを打ったり、時々『つまり、こういうことでしょうか?』って確認したり」

 

河合さん「それって、ちょうど田中さんがやってることかも」

 

日向さん「アクティブリスニングには『相手への関心を示す』『信頼関係を築く』という効果もあるから、ぜひやってみて」

 

河合さん「うん。他には? もっと教えて」

 

日向さん「じゃあ、もう一つ大事な概念を紹介するね。『心理的安全性』っていうんだけど」

 

河合さん「心理的…安全性?」

 

日向さん「うん。簡単に言うと、『失敗や意見を言っても大丈夫』って感じられる環境のこと。これが職場にあると、みんなが自由に意見を出せて、結果的にパフォーマンスが上がる」

 

河合さん「なるほど。ということは…私、完璧を目指しすぎて、かえって周りに緊張感を与えてる?」

 

日向さん「それ、あるかもね」

 

河合さん「それって、私、明日から何をすればいいと思う?」

 

日向さん「そうね…たとえば、あなたから積極的に『ここ、悩んでるんですが、みなさんはどう思いますか?』って聞いてみるとか」

 

河合さん「それって弱みを見せることにならない?」

 

日向さん「その逆。自分から弱みを見せることで、『ここは安心して話せる場所なんだ』『この人は話せる人だ』っていう空気が生まれる。他のメンバーも意見を言いやすくなる」

 

河合さん「そっかー。完璧な資料作りに集中するより、こういう日々のコミュニケーションが大事なんだね。私にできるかな」

 

日向さん「一気に変えようとする必要はないんじゃない? 少しずつで」

 

河合さん「うん、わかった。他には? もっと教えて」

 

日向さん「じゃあ、次はね…」

 

(日向さんの話が終わりそうにないため、ここでカットします)

 

今回の学び

仕事の評価は、成果物の完璧さだけでなく、周囲との信頼関係に大きく左右されます。相手の話を積極的に聴く「アクティブリスニング」や、弱みを見せることで生まれる「心理的安全性」が、チームのパフォーマンスを高め、自身の評価向上にもつながります。