地域の未来を担う「地域おこし協力隊」の活動。
しかし、その挑戦には理想と現実のギャップや、慣れない環境への適応といった、多くの困難が伴います。
今回の記事では、そんな協力隊の隊員として奮闘する及川健さんが、ひととき都会に戻り、心の疲れを癒やすために訪れた馴染みのカフェでの一幕をご紹介します。
そこで彼と再会したのは、心理学を生活に活かすライフ心理学アドバイザーとして活動する日向マユさん。
自身の経験から心理学に救われた彼女は、及川さんの心の内にそっと寄り添いながら、心理学を活用した実践的なアドバイスを伝えます。
都会と地方、心理学と実生活。
交差するテーマの中に見える、新たな気づきと再挑戦へのエールをぜひお楽しみください。
日向さん「及川さん?久しぶり。どうしたの。遠くに行ったんじゃなかったんですか?」
及川さん「あ、日向さん。行きました。一時帰省です。戻ってきたら、ここに足が向いてしまって」
日向さん「少し疲れて見える。大丈夫?」
及川さん「ぶっちゃけ、疲れてますね。地域おこし協力隊の活動がどうにも上手くいかなくて。で、一時的に休暇を取ることにしました。それでここへ。都会に疲れたから地方に行こうって思ったのに、地方に行ったら余計に疲れて…生きづらいです」
日向さん「そうだったんですか。でも、あのとき張り切って出発したじゃない。協力隊のお仕事、大変なんですか。どんなことがあったの?」
及川さん「ざっくり言うと、地元の方々と意見が合わなくて。せっかく何か新しいことを提案しても、『それは今までやってないから』って反対されるんです。孤立しているように感じることも多いし」
日向さん「あるあるですよね。新しい環境でそう感じるの、自然なことだと思いますよ。文化や価値観が違う土地では、意見のぶつかり合いも避けられませんから」
及川さん「頭ではわかってるつもりなんです。でも、ずっと気持ちが晴れません。最初はやる気に満ちてたのに、今では逃げたくなるばかりで」
日向さん「そっか。心理学の観点から話してもいい?」
及川さん「ぜひお願いします。こういう時、どうしたらいいんでしょうか」
日向さん「まず、自分が感じている感情をそのまま受け入れること。孤独や不安を『感じちゃいけない』と思うと、かえって苦しくなりますから」
及川さん「感情を受け入れる…ですか」
日向さん「それに加えて、小さな成功体験を積むこと。例えば、地元の方が協力してくれるような、簡単なプロジェクトから始めてみるとか」
及川さん「いきなり大きなことをやろうとしすぎていたかもしれません」
日向さん「『非言語コミュニケーション』を使うと意外と突破口が見えるんですよ。例えば、相手の表情や仕草から、どんな感情で話しているのかを想像してみたり」
及川さん「そういう風に人を見たこと、なかったかも」
日向さん「あと、及川さんみたいに真面目な方には、『感情日記』もいいですよ。前にこの話をしたと思うけど。毎日自分の気持ちを書き出すだけで、驚くほど心が整理されます」
及川さん「感情日記。はい、教えてもらいました。覚えてます。今なら続けられそうです」
日向さん「最後に、心理学では『共感』を大事にしています。自分の提案が通らなかったとしても、相手の立場を理解しようとする姿勢を見せると、信頼が生まれます」
及川さん「今まで自分の意見を通すことばかり考えてたかもしれません」
日向さん「それも悪いことではありません。でも、少しずつ歩み寄る気持ちを見せると、きっと状況も変わってきます」
及川さん「なんだか、もう一度頑張れる気がしてきました」
日向さん「こっちには、いつまで?」
及川さん「明日、むこうに戻ります。ときどきメールしていいですか?」
日向さん「メールでもいいし、LINEでもいいですよ。はいこれ、名刺」
及川さん「やったー」
日向さん「きみ、ナンパしたかったわけじゃないよね」
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今回の学び 新しい環境での孤立感や意見の対立は、心理的に自然な反応です。ネガティブな感情を受け入れつつ、非言語コミュニケーションや共感を意識して歩み寄ることで、周囲との信頼関係を少しずつ築いていくことができます。 |



